(創刊号)ギャンブル以外に何すればいいの?(あるギャンブル依存症な男:Mクンの日常 その一)
ある日曜日の12時も過ぎた時間帯。俺は、自宅マンションから5キロほどはなれた
実家へ車を走らせている。
真っ昼間だというのに、意識は朦朧としている。実家に帰るのも義務的なものだ。も
うすぐ30になるが、結婚もしていないし、こんなに近くに住んでいるのに、顔をださ
ないと両親がうるさいのだ。
仕事は製薬メーカーの営業職をしている。MRといわれる職種だ。土日は基本的に休み
だし、収入もそこそこだ。家庭を持っていないし、元々人付き合いが億劫に感じるよう
なタイプの人間だ。
そんなんじゃ営業職なんかやっていけないだろう、と思われるかもしれない。確かに
、不向きな性格といえるだろう。しかし、こういう性格が営業に不利かというと、実は
そうでもない。MRはルート営業なので、頻繁に重要な得意先に顔を出してまじめなふり
をして、いったん信頼を得ることができれば、あとは社内の人間関係、いわゆる社内営
業さえきちんとしていればなんとかなってしまうものだ。(まあ、営業成績はさておい
て。前期に支店で表彰されたくらい営業成績をあげてたから、今期も後半追い上げれば
なんとかなるさ。)
マンションの家賃も会社が大部分をもってくれるし、仕事に生きがいを見出すことが
できれば、本当にいい環境だ。
20代後半の独身男性サラリーマンなら、土日は彼女とデートでもしているのが一般的
な過ごし方だろう。
だが、今実家に向かって車を走らせている俺は、ついさっきまで雀荘で麻雀をしてい
たのだ。金曜の夜、仕事が終わってからぶっ続けで打っていた。多分、30時間以上打
ち続けていたと思う。そりゃ、意識も朦朧とする。あたりまえだ。
もちろん一睡もしていない。ただひたすら雀荘がサービスで出してくれる、ドリンク
(俺はいつもガムシロップ入りのアイスコーヒーだけを飲む)とタバコ、時々とる軽食
だけで、これだけの時間集中力を持続させているのだ。
それにしても、いったいゲーム代だけで幾ら使っているんだろう。多分半チャン40
回近く打っているから、ゲーム代1回600円×40回で、しめて2万4000か・・
こんだけ打って、マイナス1万5000円くらいですんでいるから、大したもんだと
思っておこう。
雀荘の常連の面子なんて、序盤にドラ切って鳴かせて、あとは逃げ回るようなことを
平気でやるような、明らかに俺より下手な連中ばっかりだ。そんな打ち方して、何が楽
しいんだろう。そんな打ち方してたら、運がいい人が勝つ流れになっちゃうだけなのに
な。そんなことだから、麻雀が技術を競うゲームじゃなくて、ギャンブルになってしま
うんだよ。
そんな打ち方するんじゃなくて、技術で勝ちに行こうとしろよな、ホント。
さて、あとは実家に帰れば、サッサと上司に提出しなければいけない報告書をメール
で送り、飯を食って、翌朝までぶっ続けで寝るだけだ。
こんな生活していて、周りが何も言わないのかって?
彼女は遠距離恋愛で2~3ケ月に一回しか会わないし、両親はうすうす気づいている
ようだけど、そんなのカンケーねえ。
ただ、いつまでもこんな事続けてちゃいけないような気がする。麻雀に注ぎこみ過ぎ
で、貯金もないしな。それに、遠距離恋愛しているから、旅費とかでもお金使うし。こ
のままじゃ彼女と結婚できないかもな。
今している仕事もにやりがいも感じないから、いつか独立して自分の会社を持ちたい
しな。ホントは土日はビジネスの勉強したりして、もっと有意義に過ごすべきなのかも
しれない。
でも、何したらいいんだろう・・・いまの俺には麻雀以外にしたいことはあるか?
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●自分の状態を見詰め、認めよ!
この男、Mクンの正体は、今この文章を書いている僕です。
(性格はかなりデフォルメしています。こんな嫌な奴じゃないです(爆))
この状況は、数年前のありのままの状況です。このあといろいろな事があり、だんだ
んと追いこまれていくことになるのですが・・・
みなさんには、ありのままの僕の姿を見ていただくことで、ギャンブル依存症の恐ろ
しさ、というものを知って欲しいと思います。
こんな僕ですが、現在は以前勤務していた職場を離れ、お金を賭けるギャンブルとし
ての麻雀をやめ、1年以内に自分の会社を持つことを目標に努力できるようになってい
ます。
ギャンブル依存症の方は、自分がギャンブル依存症だと認めることは殆どないといい
ます。
でも、ギャンブルにはまる傾向にある人は、少なくとも、『私はギャンブル依存症に
なる可能性があるから、早めに手を打っておかなければいけない』ということを、認め
て欲しいのです。
僕自身、かなり深刻な状況になっていたこの時期にすら、自分がギャンブル依存症だ
と認めることができないでいました。
数年前、『借金は身を滅ぼす』という、有名なメルマガがありました。(たしかまぐ
まぐから発行されていたと思いますが・・・)
スロット中毒に陥り、多重債務に追いこまれていく様はすさまじいものがあり、僕も
時々読んでましたが、『あ、俺も似たような感じだ』と思いつつも、『でもここまで酷
くねえから、俺は大丈夫だ』なんて思っていたんです。
もしあなたがギャンブルにはまっていたなら、僕を半面教師にして、自分を見つめな
おして欲しいのです。
例えあなたがギャンブル依存症でなくても、自分を見つめなおすことで、今あなたが
何をすべきかが見えてくるかも知れません。
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:ギャンブル依存症の人に気付きを与え、新しい人生への第一歩を
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